「走る」 ということ
                                        加 藤 孝 幸
  小・中学生のころ、走ることが大の苦手だった。校内マラソン大会ではいつもビリ、1500メートル走でトラック走ればトップと周回差、ひどい時には2周差である。
  当時、いじめとまではいかないが、ひどく辛辣な言葉を同級生から浴びたものだ。「走る」という行為は、肉体的にも、また精神的にも疲弊する作業だったのである。
 その後、20代になって市民マラソンへの挑戦を始めた。そして昨年末、目標だったサブスリー(42.195キロを3時間以内で走る)を加古川マラソンで達成した。
 随分と長い時間がかかってしまったが、子どもの頃の劣等感は、少なくとも「走る」ことに関して払拭された。これを成長と言えるかどうかは別にして。
 次の目標は、篠山ABCマラソンでのサブスリー達成である。